2018年02月18日

NAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)の話

良く知られているようで案外その構造がしられていないNAS。

NAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)とはネットワークに直接繋がるHDDのこと。
見かけ上はUSB接続のHDDに似た外観をしているが 実はれっきとしたファイルサーバー。
CPUもメモリーも内蔵している。
その起動も内臓のHDDからOS(オペレーティング・システム)を起動する。
要するにれっきとしたコンピューターなのです。

使われているOSはLINUXがほとんど。

サーバーとして考えてもらうとその価格が異常に安いことに気づかれるだろう。
もちろん本格的なサーバーほどの能力はないにしても 安いものは1万円台からある。
USB接続のHDDと大差ない。
※今回 価格を調べてみて改めて驚いた。

一方 本格的なサーバー(ブレードサーバ)は少なくとも10万円程度はする。
一種のパソコンとして考えると当然価格だろう。

ではNASはなぜ異常に安いのか?

まあ この話は前にも書いたことがあるので読まれた方もあるだろうが 改めて書くと
1.CPUが安い
  ※ではセレロンか? とんでもないそんな高性能なものは使っていません。
2.メモリーが少ない。
3.OSが練られていない。(作り込みが甘い)

これらが相まってちょっとしたことでデータの処理が遅れ ひどい場合は 自分自身でデータを壊してしまうことすらある。

本当に大事なデータを保管するためには適していない。
また安価なNASを使用しなければならない場合どのメーカーであっても最低ランク(スタンダード)は極力避けること。

できればNAS専門メーカーの物を使用することをお薦めする。
少なくとも数万円以上はします。

データの安全性を考えた場合 これぐらいの投資は必要と考えて下さい。

最後にNAS使用にあたって最も大事なこと
どのメーカーのどのように高価な機種を使っても ”必ず壊れる”との前提で確実なバックアップを取って下さい。

それを怠って 私共にご依頼いただくNASがどれだけあることか。
nasx2.jpg
posted by sugi at 00:23| Comment(0) | HDD

2017年09月07日

ハードディスクの基本的な構造 その2

ヘッドの浮上量(距離)は約10nm(ナノメートル=一億分の一メートル)と書いたがこれがどのくらいの距離であるか想像できる人はまずいないだろう。

インフルエンザのウイルスの10分の一程度と言ってもなかなかわかりにくいだろうからもう少し判り易いもので比較してみよう。
非常に極端な話だが ヘッドの大きさ(約1mm)とその浮上量を比較してみる。
一般的なジャンボジェット機(突然 飛行機が出てくる)の全長が約70mとすると 1mmのヘッドが10nm浮かぶということはジャンボジェット機が高度1mmで飛んでいるのと同じだと言われている。
高度1mではない 1mmなのである。
※出典 ”改定 ハード・ディスク装置の構造と応用”

とても怖くて こんな飛行機には乗れない。

ウイルスの大きさの10分の一の隙間しか無いわけだから ホコリ等は厳禁。

HDDの開封にクリーンルームや、クリーンベンチが必要なのは当然で 空気中に浮遊している目に見えないようなホコリでもHDDにとっては強大な岩のようなもの。

ついでにクリーンルームの話をしておくと クリーンルーム内には普通の紙や鉛筆は塵埃を発生するため持ち込めない。
作業者はクリーンウェア(防塵服・無塵服)やマスクを着装しエアシャワーを浴びて塵埃を落とさなければ中に入ることは出来ない。

また一旦内部が汚染(ホコリが持ち込まれる)すると 場合によっては半日以上掛けて内部がクリーンに成るのをまたなければならない。

有るデータ復旧業者の”クリーンルーム”と称する部屋の写真には床にカーペットが敷いてあったり メモ用紙がおいてあったりするのだが。
posted by sugi at 18:38| Comment(0) | HDD

2017年09月06日

ハードディスクの基本的な構造 その1

ブログでハードディスク(HDD)のデータ復旧のことは何度も何度も書いているが 読み直してみるとHDDの基本、構造にはあまり踏み込んでいないことに気がついた。
ここでできるだけ専門用語を使わず 少し触れてみようと思う。

<プラッターの話>
ハードディスクはその名の通り ハードなディスク(フロッピーに対して)が高速で回転し それに磁気ヘッドで情報の読み書きをしている。
その回転数は 現在のものでは低回転のもので5,400rpm(revolution per minute)、3.5インチだと通常7,200prm 高速のものでは10,000rpm。
自動車のエンジンの最高回転から更に上ぐらいのところで常時回転している。
この回転を支えているのが流体軸受、つまり回転を始めるとオイルの上に浮き上がって 金属同士は接触していない。
更に読み書きするためのヘッドはプラッターから約10nm(ナノメートル=一億分の一メートル)浮上しており、接触していない。
※よく精密さを表現しようとしてミクロン単位という言葉を使うがナノはその1000分の1。
※インフルエンザのウイルスがおおよそ100nmぐらいと言われているから ウイルスの10分の一の隙間しか無いことになる。

プラッター自体はアルミ合金かガラス。10nmの隙間を保つためには それだけの高精度(平滑度)を持っている必要がある。
一時期 あるHDDベンダーのプラッターは製造後の処理が(多分)甘く 使用中に歪が発生 トラブルになったことがある。
※この件は表面化はしておらず 一部のデータ復旧業者しか知らない。
platter.jpg

posted by sugi at 01:56| Comment(0) | HDD
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