2017年09月07日

ハードディスクの基本的な構造 その2

ヘッドの浮上量(距離)は約10nm(ナノメートル=一億分の一メートル)と書いたがこれがどのくらいの距離であるか想像できる人はまずいないだろう。

インフルエンザのウイルスの10分の一程度と言ってもなかなかわかりにくいだろうからもう少し判り易いもので比較してみよう。
非常に極端な話だが ヘッドの大きさ(約1mm)とその浮上量を比較してみる。
一般的なジャンボジェット機(突然 飛行機が出てくる)の全長が約70mとすると 1mmのヘッドが10nm浮かぶということはジャンボジェット機が高度1mmで飛んでいるのと同じだと言われている。
高度1mではない 1mmなのである。
※出典 ”改定 ハード・ディスク装置の構造と応用”

とても怖くて こんな飛行機には乗れない。

ウイルスの大きさの10分の一の隙間しか無いわけだから ホコリ等は厳禁。

HDDの開封にクリーンルームや、クリーンベンチが必要なのは当然で 空気中に浮遊している目に見えないようなホコリでもHDDにとっては強大な岩のようなもの。

ついでにクリーンルームの話をしておくと クリーンルーム内には普通の紙や鉛筆は塵埃を発生するため持ち込めない。
作業者はクリーンウェア(防塵服・無塵服)やマスクを着装しエアシャワーを浴びて塵埃を落とさなければ中に入ることは出来ない。

また一旦内部が汚染(ホコリが持ち込まれる)すると 場合によっては半日以上掛けて内部がクリーンに成るのをまたなければならない。

有るデータ復旧業者の”クリーンルーム”と称する部屋の写真には床にカーペットが敷いてあったり メモ用紙がおいてあったりするのだが。
posted by sugi at 18:38| Comment(0) | HDD

2017年09月06日

ハードディスクの基本的な構造 その1

ブログでハードディスク(HDD)のデータ復旧のことは何度も何度も書いているが 読み直してみるとHDDの基本、構造にはあまり踏み込んでいないことに気がついた。
ここでできるだけ専門用語を使わず 少し触れてみようと思う。

<プラッターの話>
ハードディスクはその名の通り ハードなディスク(フロッピーに対して)が高速で回転し それに磁気ヘッドで情報の読み書きをしている。
その回転数は 現在のものでは低回転のもので5,400rpm(revolution per minute)、3.5インチだと通常7,200prm 高速のものでは10,000rpm。
自動車のエンジンの最高回転から更に上ぐらいのところで常時回転している。
この回転を支えているのが流体軸受、つまり回転を始めるとオイルの上に浮き上がって 金属同士は接触していない。
更に読み書きするためのヘッドはプラッターから約10nm(ナノメートル=一億分の一メートル)浮上しており、接触していない。
※よく精密さを表現しようとしてミクロン単位という言葉を使うがナノはその1000分の1。
※インフルエンザのウイルスがおおよそ100nmぐらいと言われているから ウイルスの10分の一の隙間しか無いことになる。

プラッター自体はアルミ合金かガラス。10nmの隙間を保つためには それだけの高精度(平滑度)を持っている必要がある。
一時期 あるHDDベンダーのプラッターは製造後の処理が(多分)甘く 使用中に歪が発生 トラブルになったことがある。
※この件は表面化はしておらず 一部のデータ復旧業者しか知らない。
platter.jpg

posted by sugi at 01:56| Comment(0) | HDD

2017年02月18日

サーボ面サーボとデータ面サーボ

現在のHDDが極めて高精度なことはご存知だと思う。
ただ それがどの程度 高精度なのかはあまり知られていない。
こう言うと「ミクロン単位でしょう。」
いえいえ ミクロンの更に1000分の1 ナノのオーダーなのです。

例えば ヘッドはプラッターから浮上していますが其の距離は10ナノ程度と言われています。
10ナノがどれ位の長さなのかというと 髪の毛の太さの 1万分の1!
たったこれだけの距離 プラッターとヘッドが離れているだけ。
当然 その精度を保つためには プラッターの平滑度もそれに見合うだけのものが要求される。

因みにインフルエンザのウイルスが80から100ナノ程度と言われているから 当然プラッターとヘッドの間には入らない。
余談だが インフルエンザ対策でマスクをしている人をよく見かけるが あんなもの何の役にも立ちません。
ウイルスは楽々マスクの素材を通り抜けます。

さて HDDに電源が入ると プラッターが回転し ヘッドはプラッターの回転による空気の流れで浮き上がる。

トラック間は25ナノメートル(nm)程度。
現在のHDDのヘッド駆動は 前に書いたとおり ボイスコイルモータを使用している。
これは それまでのステッピングモータと異なりサーボ情報を基に制御してやる必要がある。
※ステッピングモータはパルスを一つ入れると決まった角度だけ動く。

更に これぐらいの精度になってくると トラックのUniformity(ユニフォミティ=真円性)が問題になってきます。

ヘッドがプラッター上に書き込まれたサーボ信号を読み取り 自分(ヘッド)の位置を知ります。

昔のHDDはこのサーボ信号だけを書き込んだプラッター面を持っていました。
(この方式がサーボ面サーボ)

しかし 記録密度が上がってくると(トラック間が狭くなってくると)サーボ面とデータ面の誤差が問題となってきました。
その為 最近のHDDのサーボ情報はデータ面に書き込まれています。
これがデータ面サーボです。

現在のHDDはすべてデータ面サーボ方式です。
posted by sugi at 23:43| Comment(0) | HDD
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