2017年04月04日

梯郁太郎氏 亡くなられました

4月2日のブログで”ACE TONE TOP6の秘密”を書いたら なんと まさにその前日4月1日に梯郁太郎氏が亡くなられていたとは。
TOP6は梯氏がRolandの前に創業したエース電子工業製のコンボオルガン。
実はこの内容 しばらく前から書こうと思っていたのですが なんとなくこの日になってしまったもの。
あまりこんなことは信じてはいませんが 虫の知らせとでも言うんでしょうか。

私は昔Rolandの社員で 梯郁太郎氏は私の仲人でもあったのです。

晩年はRolandとの行き違いもあったようですが 少なくともコンピュータと音楽を結びつけた先人の一人。
まさに コンピュータと音楽の仲人 であったのでしょうか。

ご冥福を祈ります。
posted by sugi at 16:41| Comment(0) | 電子楽器

2017年04月02日

ACE TONE TOP6の秘密

ACE TONEと言う楽器メーカーをご存知だろうか?
Rolandを創業した梯郁太郎が最初に大阪府住吉区に創業した楽器メーカー エース電子工業株式会社のブランド名ででオルガン、ギターアンプ、リズムマシン等を製造していた。
※ 因みにエース電子工業(エース電気株式会社)の前身は大阪阿倍野区苗代田のカケハシ無線という電気店。
※ TOP6というのはエース電子工業が1968年頃 製作販売していたコンボオルガンの名称。TOPはTransistor Organ(ToneWheelに対抗して)に由来するらしい。

このTOP6 当時ACE電子工業から併売されていたTOP5やTOP7と異なりドローバー紛いのスライダーで音色を合成できるモデルだった。
とは言っても5 1/3(5度上の音 基本音がCの場合 G)や 2 2/3(オクターブ上の5度上)の5度上の倍音系を持っておらず
替わりにフルート(サイン波)とストリング(矩形波)を合成するという方式を取っていた。
top6_out1.jpgtop6_keybord.jpg
※ 因みに後年にRolandが発売するVK-09というオルガンはbriteというドローバーの系列(矩形波)を持っていた。(5度系のドローバー有り)

最近ヤフオクで見つけて 難あり というのを落札した。
多列接点の問題で幾つかのキーはたとは音が異なる(接点不良で倍音が全て出ていない)。
電源を入れっぱなしで しばらく触っていたら いくつかの鍵盤はある程度改善されてきた。
(セルフクリーニング方式と言ってキー側の接点がバスバーに接触する時 僅かに前後に動く為)
少し手が空いたら本格的に修理して使ってみようと思う。

さて タイトルで書いた TOP6に秘密とは!
まあそんな大げさなものではないのだが 構造的に当時のエース電子の企業力では出来ないところがあるのだ。
例えば鍵盤の造り。とてもしっかりしていて当時のエース電子の工場では作れなかったはず。
また電源もプレス加工の鉄板で覆われていて これもエース電子の生産台数ではとても作れる代物ではないように思う。
top6_inside1.jpg
想像するに これらは当時提携関係にあった松下電器(テクニトーン)の部品を流用(購入)していたのではないか?
※ 因みに当時の松下電機の鍵盤工場は現在KORGの京都工場(宇治電器工業・美山工場 )。

TOP6はこれら量産型の部品と手作り(風の)他の部分との奇妙な組み合わせで出来ているのだ。

TOP6以外のACE TONEのオルガンの内部を見たことはないので他の製品がどうだったかはわからない。
機会があれば 他のACE TONEのオルガンも調べてみたいと思う。
posted by sugi at 00:04| Comment(0) | 電子楽器

2017年02月23日

楽器の修理 シンセサイザー

「いつも依頼している業者が手一杯で修理できない。修理を受けてもらえないか?」
最近大手の楽器販売店さんのご担当者からお問い合わせをいただきました。

現在お困りの機種のご提示をいただきました。
残念ながら その半分は修理できないか 修理してもコストが合ないものです。

実は電子楽器はなんでも修理できるわけではありません。
専用のチップが使われていて それが壊れてると入手不可能のため修理ができません。
有名なところでは RolandのJuno-106に使われている80017A。
これが壊れると一音でなくなったり 不安定になったりします。

このICが壊れる原因はあまり知られていないようですが
モールドが不完全でピンの部分から湿気が侵入し内部でサビを発生、接触不良を起こすのです。

80017Aはメーカーに在庫はありません。
海外で互換のICが作られていたようですが 現在は不明です。

ただこのICすべて(JUNOに6個使われている)交換すると結構な金額になり それで二の足を踏んだ方も多いと聞いています。

実は 古い電子楽器が修理できない理由の一つは そこまで金をかけない ということです。
80017Aにしてもモールドを割って中を見れば特殊なICを使っているわけではありません。
(だから複製品が出てくるのです)
ただ基盤を起こしてそれにチップを載せて作ると成ると少なくとも100個単位で作らなければ割が合いません。
それでもメーカーが発注する数量より二桁も三桁も少ないわけですから 極めて高価なものとなってしまいます。

また電子楽器に使われているフェーダー(スライドボリューム)も意外に厄介です。
同じサイズ、抵抗値、カーブのものはまず手に入りません。
※これも500個とか1,000個単位なら特注できます。

こんなリスクを誰も負いませんから修理ができないわけです。

要するに 多くの電子楽器は”金に糸目を付けない”なら修理できる可能性はあります。
しかし 100万円単位になってしまうかもしれません。
sh-5-logic_bord.jpg
SH-5のロジックボード
posted by sugi at 19:19| Comment(0) | 電子楽器
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