2018年10月29日

RAIDの特急調査

最近 立て続けにRAIDサーバーの特急診断の依頼を受けた。
当然どちらの企業で大手さん。

特急診断というメニューは 1台あたり¥15,000-の費用が別途発生する。
そのため 4台のRAID5だとそれだけで¥60,000-が復旧費用にプラスとなる。
今回 のご依頼のうち1件はなんと6台のRAID、これだけで¥90,000-(税別)。

「とにかく急ぎで結果を知りたい!」とのことで 2件とも特急診断となった。
特急診断はその性格上復旧不能や復旧中止でも費用は発生する。

結果的に2件とも復旧中止となった。
私どもからすれば 復旧中止という結果になったのに 「特急料金だけ頂くことになる」ということで少々気を使ったのだが 実は大変喜ばれた。
その理由は
「内容がわかって 調べた結果 他にバックアップがあったから。」とのこと。
「特急で調べてもらって 次の手が打てた。(方針が決まった)」
とのこと。

逆に 「復旧依頼したのに 中止になって申し訳ない。」と言われた。

大手の企業は「時間を金で買う」という感覚が強いようだ。
posted by sugi at 18:42| Comment(0) | RAID

2017年03月22日

ミラーリング(RAID1)よお前もか!

昨年5月にリサイクルショプで見つけてきた500円のRAIDのNAS”LS-WSX1.0L/R1J”のことを書いた。
<参照>
http://den-now.sblo.jp/article/175484285.html

この手の安価なNASはミラーリングといえども本気で使うつもりも無かったが テスト的に使ってみようと当たり障りのないデータの3次バックアップに使っていた。
と言うより 適当に写真データを入れたまま電源だけ入れて忘れていた。
処が ふと見ると何かメッセージが出ている。
NASを調べてみると 見事にデグレード状態になっているではないか!
※デグレードモードとはRAIDに障害が起きて冗長性がなくなった状態(=非常に危険な状態)
 尚 RAID(0)スパニングはもともと冗長性がないためデグレードモードにならず停止する。

デグレードになった日付を見るとその日付 前後に使用した覚えもない。
「ふーん 一年も持たずに壊れたな。」
ls-wsxlc66.jpg
もともと 大事なデータを入れているわけでもなく実験的に使ってみただけなので そのまま放置している。
前々から 「(安い)RAIDは危険」と言い続けてきたことを図らずも実証することになってしまった。

もっと強く「RAIDは危険」と言い続ける事にしよう!!

さて今回はRAID1であったため そのまま あるいはHDDを取り出してもデータが読み出せるが RAID5のシステムがデグレードモードになった場合は要注意。

<注意1>
一般の人はRAID5は安全と思いこんでいるため デグレードモードになっても放置していることが多い。
※こんな状態から壊れたものが私共に持ち込まれることが多い。

<注意2>
デグレードモードは残りのどれかのHDDがリードエラーを起こしただけで崩壊する。
単体のHDDより危険な状態になっている。

<注意3>
メーカーのホームページを見ると 
障害を起こしたHDDを交換して”RAIDアレイを再構築”しろと有る。
実は過去に この方法でサポート業者が修理し完全に壊れたTeraStationのデータ復旧を受けたことが有る。
3番のHDDのアラートランプが点いていたので3番のHDDを交換した。
実は 2番と4番が同時に障害を発生しており RAIDのアラートシステムが判断を誤って表示したものらしい。
正常なHDDを交換したため RAIDが完全に崩壊してしまったもの。
※メーカーのサポートやマニュアルは当てにはなりません。

というわけでRAIDは5といえども結構危険です。
(特に一般に市販されている安いもの)

そんなものを使うくらいなら 単体のHDDを使って しっかりバックアップしてください。
posted by sugi at 19:20| Comment(0) | RAID

2016年11月30日

ミラーリングしないミラーリングNAS

23日のブログで書いたミラーリング(RAID1)設定されたBuffaloのNAS。
どうやらデータ復旧が出来た。
ただこのNAS状態がおかしい。

最初に調査したHDDはどう見てもデータがない。それどころかデータが書き込まれた痕跡がない。
だめだろうとは思いながもう一台の方のディスクイメージからデータ復旧をかけるとかなりな量のデータがありそう。

最終的には250GB程度のデータが復旧できた。
復旧したデータの品質も悪くない。

ミラーリングのはずが 2台目のHDDは全く機能していなかったのだ。

ミラーリング(RAID1)設定されていたBuffaloのHDD2台内臓のNASで一台が機能していなかったケースは私が出掛けた中で2台目。
今まで私自身で4000台のデータ復旧を手がけてきたが Buffaloの2台内臓のNASでしかもRAID1の物はせいぜい10台程度か。
其の中で2台目だから相当高い確率で発生している。

ミラーリングだからといって決して安心できるものではない。
特に安価なNASはCPUの能力が低く、搭載しているメモリーも少ないため 何らかの要因で負荷がかかった場合 自らシステムを破壊してしまうことがある。
しかし これほどミラーリングの信頼性が低いとは思わなかった。

共有データの一次保管にはNASは向いているが バックアップには向いていない。
安価なNASはミラーリングだからといってもそれが動作しているかどうか極めて怪しいと言える。
nas2.jpg
posted by sugi at 01:26| Comment(0) | RAID
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